Simutrans-Extendedの機能・datパラメータ紹介 の軌道・車両編
[https://soukouki.hatenablog.jp/entry/2022/12/15/030133:embed:cite] の軌道・車両編です。
[https://forum.simutrans.com/index.php/topic,15174.0.html] を翻訳しました。
このガイドは、Simutrans-Extendedバージョン12.x以降にのみ適用されます。
Extendedで追加された機能の紹介
軌道の摩耗と更新
(このセクションの翻訳はちょっと自信ないです・・・)
各軌道は車両が通過するたびに摩耗します。軌道がどれだけ摩耗に耐えられるかは、軌道の.datファイルにwear_capacity=
を使って設定します。デフォルトの値は100,000,000
です。
また、各車両が通過するたびにどれだけ摩耗するかも、各車両の.datファイルでway_wear_factor=
を使って設定できます。デフォルトでは、自動車(馬なども含む)と飛行機(地上では自動車のように振る舞う)は、最大軸重と推測した重量から、その4乗の値を使って摩耗を計算します。鉄道などの車両はデフォルトで2乗の値を(1乗にするべきかどうかはクエリで確認してください)、船などは通常、軌道を摩耗させないのでデフォルトで0になります。
摩耗量は、8tの標準的な車軸荷重の1万分の1で測定することを意図しています。つまり、軸重が8t、1車軸あたりの摩耗量は10000と指定されたとき、その車両が通った軌道の摩耗量は正確に1になります。
軌道の摩耗状態は、軌道情報ウィンドウとミニマップの新しい「軌道の状態」オーバーレイに表示されます。摩耗状態が設定した割合(デフォルトでは1/7、約14%、simuconf.tabで設定します)以下になると、軌道は自動更新されるか、プレイヤーの資金が不足した場合には劣化します。軌道が劣化すると制限速度が半分になり、さらに軌道の摩耗状態が0になると通行不能になります。
デフォルトでは、軌道は廃止されない限り同じ種類に自動更新され、その場合は現在利用可能な最も近い種類が選択されます。プレイヤーは、新しい種類の軌道を古い軌道の上にshiftキーを押しながらドラッグして、アップグレードする軌道の種類を手動で選択することができます。自動更新を無効にするには、shiftキーを押しながら軌道除去ツールを軌道の上にドラッグし、資金不足のときと同じように動作させます。
軌道の更新が必要で、そのための資金が不足している場合、プレイヤーは1ヶ月に1度警告を受けます。
モスボール軌道(廃線になって放置された軌道みたいなもの)を作成するには、以下の値を使用します。
cost=0
maintenance=0
topspeed=0
max_weight=0
wear_capacity=0
橋の上の軌道の更新
「軌道」と「橋」が分離され、橋全体を壊すことなく、橋の上にある軌道をアップグレードできるようになりました。これにより、橋の上にある軌道をより良いものに更新し、橋自体を維持することができます。もし、橋の画像に描かれた軌道の画像(例えば、木のデッキ)がある場合、has_own_way_graphics=1
を定義して、橋に描かれた軌道の画像を表示しないようにする必要があります。
水路の改善
船の挙動を改善するために、水路のデータファイルにいくつかのパラメータを入れることができます。max_vehicles_on_tile=
の設定は、狭い水路を再現するために、重なっている船の数を制限します。また、max_altitude=
は水路に特に有用です(水路だけでなく、すべての軌道に使用できます)。これは水路が海面からの高さを制限します(例えば、プレイヤーが山の上に水路を作ることを禁止できます)。
最後に、topspeed_gradient_1=
と topspeed_gradient_2=
は坂道での速度制限を設定します。これは船が川を上るために閘門を通らなければならないことをシミュレートすることができますが、これはすべての軌道で使用することができます。0に設定すると、丘は登れなくなります。
これらはバージョン11.x以降で使用できます。
軌道の制約
軌道制約とは、特定の(通常は特殊な)軌道を適切な車両のみが使用できるようにする方法です。例えば、一部の地下鉄(ロンドン地下鉄など)には、普通の列車が通れないほど小さなトンネルがあります。その場合、普通の車両は地下鉄には入線できませんが、逆に地下鉄の車両は普通の線路に入線できます。また、交流電化された列車は直流電化された線路を走ることができない、またはその逆を行うなど、特定の種類の電化を行うために使用することができます。
車両と軌道の両方が軌道制約を持つことができます。軌道制約には、許可型と禁止型の2種類があります。各パックセットには、それぞれのタイプの軌道制約を最大8つまで持つことができます。
許容型の軌道制約では、適合する制約を持つ車両がその軌道を使用することを認めます。例えば、許容的な軌道制約は 直流電化のようなものです。直流電化された車両は直流電化された軌道だけを走れます。許容型の制約では、車両がその制約を持っている場合、軌道もその制約を持っていなければなりません。許容型の軌道制約では、制約のない車両がその軌道を使うことを止めることはありません。
禁止型の経路制約では、一致する制約を持たない車両がその経路を使用することを禁止します。例えば、禁止軌道制約は 「チューブ・トンネル」(ロンドンの狭い地下鉄のトンネル)となります。チューブ・トンネルにはチューブの大きさの車両しか入れません。禁止型の制約では、軌道に制約がある場合、車両はその制約を持たなければなりません。禁止された軌道制約を持つ車両は、一致する制約のない軌道の使用を禁止されることはありません。
軌道制約には番号が振られています。.datファイルに禁止軌道制1がある車両は、.datファイルに禁止軌道制約1がある軌道を使用することができるようになります。軌道制約の命名は、翻訳ファイルで実現されます。デフォルトでは、制約は 「Permissive X 」(Xは0から7までの数)と呼ばれます。翻訳ファイルは特定のパックセットの[ISO-LANGUAGE].tab
ファイル(英語の場合はen.tab)です(/simutrans/text
ディレクトリのものではありません)。
以下はPak128.Britain-Exの例です。
Permissive 1
DC Electrification (直流電化)
Permissive 2
AC Electrification (交流電化)
...
Prohibitive 1
Tube tunnels (チューブトンネル)
Prohibitive 2
Tramway (路面電車)
...
車両の改造(アップグレード)
Simutrans-Extendedでは、他の車両に置き換えるだけでなく、車両を他の車両にアップグレードすることもできます。車両は元の車体を維持したまま、新しい種類に改造できます。これは、例えば、元の車両の大部分を残しながら、大幅に異なる特性を持たせるような車両の大改装を再現するのに有効です。アップグレードは、一般的に車両を新しく購入するよりも安価です。
アップグレード可能な車両を作成するには、現在の車両からアップグレード可能な車両を車両の.datファイルで指定する必要があります。例えば、Petts Co. Mark I ‘busをPetts Co.のMark I-A ‘busにアップグレードすることができます。Mark I-A ‘bus、またはPetts Co. Mark I-B ‘busにアップグレードできる場合、Mark Iの.datファイルには、Mark I-AとMark I-Bを指定する必要があります。また、特別なアップグレード価格を指定することができます。これは、プレイヤーがその車両にアップグレードするために支払う価格です。つまり、Mark I-Aの「バス」を新品から購入すると10,000.00cかかるが、それにアップグレードすると5,000cしかかからないとすると、Mark I-Bのアップグレード価格は5,000.00cと指定されることになるのです。
アップグレードでしか入手できない車両もあります。これは、新車から改造型が作られる例がなく、後年大幅に改造される車両を再現するためのものです。アップグレードでしか入手できない車両にアップグレードするために、プレイヤーが適切なタイプの車両をすべて持っているとは限らないので、パックセット/アドオン作者は、すべての時代で新品で購入できる車両が十分にあることを確認するように注意する必要があります。
ケータリング
Simutrans-Extendedでは、車列にケータリング車両を組み込むことができます。これは、列車の食堂車のように、乗客に食べ物や飲み物を提供するための車両です。ケータリングカーは、それ自体が収益源となることと、車列全体の快適性を高めるという2つの意味で有効です。
ケータリングのレベルは5段階あり、缶飲料やポテトチップスを販売するワゴンサービスから、船内で調理したばかりの豪華な食事までシミュレートすることができます。ケータリングレベルは1~5の数字で表され、1が最も低く、5が最も高くなります。ケータリングレベルを0と指定すると、ケータリングが全くないのと同じことになります。5以上の数字が指定された場合、5で切り捨てられます。
各レベルの意味は以下の通りです。
- レベル1: ワゴンサービス(+5の快適度)
- レベル2: ミニチュアビュッフェ(冷食のみ) (+10の快適度)
- レベル3: 温かい食べ物を販売するビュッフェ (+16の快適度)
- レベル4: 調理された食事 (座席でのサービスを含む可能性あり) (+20の快適度)
- レベル5: プルマン式の豪華な食事。(+25の快適度)
旅程が長ければ長いほど(距離ではなく時間)、ケータリングは有用です(これは simuconf.tab で十分に調整可能です)。短距離の旅では、ケータリング車両は全く収益を上げません(車両全体の快適さには貢献しますが、短距離では快適度があまり重要ではありません)。
距離が長くなればなるほど、ケータリング設備から得られる収益も大きくなります。 短距離の旅では、高いケータリングレベルの乗客から得られる収益は低いレベルの乗客が得られる収益より高くはなりません。長い旅では、ケータリングの上位レベルが下位レベルより多くの収入を得ることができます。
この機能を効果的に使用するために、ケータリングカーは普通の車よりも製造コストが高く、運行コストも高く、乗客数も少ない(ケータリング車両は同時に乗客を運ぶことができるが、そうする必要はない)ことに注意する必要があります。また、長距離車両の快適性レベルを調整する際には、長距離の旅にはケータリングが追加されることを考慮に入れ、それに応じて調整することを忘れないようにしましょう。ケータリング車両が得るケータリング収入は、ケータリング車両だけでなく、車列全体の乗客数に基づいています。
郵便車両には、ケータリングに相当するもの、つまり区分けを行う郵便車(取扱便車)があります。走行中の郵便局の車両には異なるレベルはなく、快適さは郵便には関係ありません。乗客のためのケータリング車両と同様に、車両全体の追加収入を得ることができ、短い旅程よりも長い旅程でより有用です(距離ではなく時間で測定されます)。
カラーリング(livery)
Simutrans-Extendedでは、車両にさまざまな色の塗装を施せます。カラーリングはカラーリングスキームによって構成されています。
カラーリングスキーム内の個々のカラーリングは、導入日により区別されます。プレイヤーは車両に適用するカラーリングを選択し、現在の日付に従って適切なカラーリングが選択されます。カラーリングは、現在の日付が、そのスキームの中で最も早く導入されたカラーリングよりも遅い場合にのみ利用できます。スキーム自体には引退日があり、それを過ぎるとスキーム全体が利用できなくなります。車両は、手動でカラーリングを変更するまで、既存のカラーリングを保持します。将来のバージョンでは、オーバーホール時に自動的にカラーリングが変更される予定です(オーバーホールは将来的に導入される予定の機能です)。
datパラメータの紹介
特に指定がない場合は、全ての車両で全ての段落が使用可能です。
- {E} = Simutrans Experiemental パラメータ。
- {M} = Simutrans Standardから変更されたパラメータ
- {S} (または何も指定しない) = Simutrans Standardのオリジナルパラメータで、こちらでさらに調べることができます。 [https://simutrans-germany.com/wiki/wiki/en_dat_Files?structure=en_Devel_Index&page_ref_id=464]
車両向けのdatパラメータ
全般
obj=vehicle
name=
copyright=
intro_year=
intro_month=
retire_year=
retire_month=
speed=
length=
weight=
sound=
waytype
:{S}
この車両が走行可能な軌道 (軌道の制約についてのセクションも参照)
waytype=road
waytype=track
waytype=tram_track
waytype=monorail_track
waytype=maglev_track
waytype=narrowgauge_track
waytype=water
waytype=air
range
: {E}
駅間距離の制限 (0に設定した場合は無制限)
(訳者コメント)例えば、機関車が無停車で走れる距離だったり、船が港によらずに走行できる距離だったりを指定します。
axles
: {E}
車両についている車軸数です。軸重を計算するために利用されます。デフォルトは2です。
axle_load
: {E}
もし、車両がある車軸に他の車軸よりも多くの重量があることが分かっている場合、axles=
の代わりに軸重を個別に指定することができます。0を指定すると、車両は車軸の代わりに脚があるとみなされます(例:馬など)。
brake_force
: {E}
この車両のブレーキ力をキロニュートン単位で指定します。指定しない場合のデフォルトは、車両の重量を基に計算されます。ゼロに設定すると、この車両はブレーキが付いていないことになります。
rolling_resistance
: {E}
車両の転がり抵抗(キログラムあたりニュートン)を指定します。指定しない場合のデフォルトは車両の種類によって異なります。
air_resistance
: {E}
この車両が移動するときに発生する空気抵抗のレベルです。物理エンジンに使用されます。車両が適切に流線型でない限り、空白にしておくことを推奨します(もし指定する場合は、以下の例の値を使用してください)。この値は、より高い精度を得るために、内部およびほとんどの標準的な物理計算で使用される値の100倍です。例えば、値が108の場合は1.08になります。デフォルトは車両の種類によって異なります。
way_wear_factor
:{E}
車両がどれだけ軌道を摩耗させるかの度合い。摩耗は、標準的な車軸荷重8tの1万分の1で測定することを意図しています。
smoke
:{S}
使用する煙の名前を指定します。
is_tall
:{E}
この車両を背が高いと見なすかどうかを指定します。背の高い車両は、半分の高さしかない橋の下を通過することができません。これは、2階建てのバスや路面電車、帆船などに使用することを想定しています。1階建てのバスや路面電車に、ゲーム内での機能を持たせようというものです。 (訳者注:Simutrans-Extendedでは、高さ制限の低い立体交差を作れます。1階建ての車両は緩坂1段の隙間を通れます。)
is_tall=1
has_front_cab
has_rear_cab
:{E}
車両の両端に運転台があるかどうかを指定します。1の値は運転台があることを意味し、0の値は運転台がないことを意味します。運転台があるかないかで、その車両の端が先頭として機能するかどうかが決まります。パラメータを省略した場合、デフォルトは-1、つまりAUTOとなります。AUTOに設定されると、Simutransは制約、bidirectionalパラメータ、can_lead_from_rearパラメータ(現在では非推奨)を見て、自動的にどちらかの端に運転台を割り当てます。
自動運転席割り当ての表
状態 | 前方運転台 | 後方運転台 |
---|---|---|
制約条件を指定しない場合 | ✓ | ✓ |
constraint[prev]=none | ✓ | |
constraint[next]=none かつ can_lead_from_rear=1 | ✓ | |
constraint[next]=none かつ bidirectional=1 | ✓ |
bidirectional
:{E}
(鉄道車両のみ) 両方向に走行できるかどうかを指定します。
bidirectional=1
is_tilting
:{E}
(鉄道車両のみ) この車両はカーブを走行する時に傾くため、通常の車両より約30%速くカーブを曲がれます。(いわゆる振り子式車両)
is_tilting=1
minimum_runway_length
:{E}
(航空車両のみ) この車両が着陸または離陸できる最短の滑走路の長さ(メートル)。滑走路のメートル単位の距離は、特定のゲームに適用されるタイルあたりのメートル数で計算されます。デフォルトは0(任意の滑走路を使用可能)。
車両のコスト関連
cost
:{S}
車両の価格(1/100シムクレジット単位)
runningcost
:{S}
車両の1kmあたりの運行費(1/100シムクレジット単位)
fixed_maintenance
:{E}
毎月の維持費(車両が移動しなくても毎月このコストがかかる) (1/100シムクレジット単位)
increase_maintenance_after_years
:{E}
車両の引退日から何年後に維持費(固定費とキロメートルあたりの維持費の両方)が増加するかを指定します。デフォルト値はsimuconf.tabで設定されています。
years_before_maintenance_max_reached
:{E}
車両のメンテナンスコストが増加し始めてから(上記の設定で)最大の値に達するまでの年数。この2つの日付の間で、メンテナンスコストは線形に増加します。デフォルト値はsimuconf.tabで設定されています。
increase_maintenance_by_percent
:{E}
上記の設定で指定された日付以降に適用される、車両の基本メンテナンスレベルからの増加分をパーセントで指定します。デフォルト値はsimuconf.tabで設定されています。
動力付き車両
engine_type
:{M}
Simutrans-Extendedで利用可能な様々なエンジンの種類。
engine_type=bio (動物や人など)
engine_type=sail
engine_type=steam
engine_type=diesel
engine_type=petrol
engine_type=turbine (ジェットエンジンやターボポップエアエンジンのような内燃タービン)
engine_type=electric
engine_type=hydrogene
engine_type=fuel_cell
engine_type=battery
power
:{S}
In kw
tractive_effort
:{E}
この車両の牽引力をキロニュートン単位で指定します。powerと同様に、または代わりに指定することができ、もう一方の値が計算されます。指定しない場合のデフォルトは、powerの計算式に従って計算されます。
gear
:{S}
ディーゼルエンジンや電気モーターの正確なパワーを使用しながら、トランスミッションの非効率性を考慮した正しい出力パワーをシミュレートするためにExtendedで使用されます。 パーセンテージで使用します(gear=80
であれば80%)。デフォルトは100です。
貨物と旅客を運ぶ車両
freight
:{S}
車両が搭載可能な貨物の種類
payload
:{S}
この車両が運べる貨物の量。クラス以外の貨物(乗客と郵便物以外)に使われる。
payload[X]
:{E}
freight=Passagiere
または freight=Post
の場合、1つの車両に複数のクラスの旅客または郵便物を搭載することができます。この項目で指定される量は、この特定のクラスで移動する旅客または郵便物のデフォルトの量です。もし、payload[3]=
のみに任意の容量を持たせたい場合は、まず、前のエントリーをすべてリストアップする必要があることに注意してください (例参照)。
payload[0]=0
payload[1]=0
payload[2]=0
payload[3]=5
comfort
:{E}
車両の快適性を設定します。0から255までの数字が使用可能で、乗客にのみ適用さ れます。このパラメータは単一クラスの車両に使用できますが、より多くのクラスがある車両は後述のcomfort[X]=
バージョンを使用する必要があります。デフォルトは100です。
comfort[X]
:{E}
上記の設定と同様、旅客が乗る車両にのみ適用されます。X は、快適性をどのクラスに適用するかを指定します。comfort[X]=
は、payload[X]=
と同様に1つ存在する必要があります。空のクラスには、快適性値0を定義することができます。
comfort[0]=0
comfort[1]=0
comfort[2]=0
comfort[3]=79
overcrowded_capacity
:{E}
積載量に達したときの車両の追加容量。例えば、バスであれば定員を超えて乗れる人数。
catering_level
:{E}
この車両がケータリングカーであるかどうか、またケータリングカーである場合はその装備の充実度を示します。0 から 5 の間の任意の数で、0 は非ケータリング車両、1 - 5 は徐々に良い装備/より豪華なケータリング施設となります。郵便車両でこの値が 0 より大きい場合、移動郵便局になります。旅客車、郵便車以外の車両に catering_level
を設定しても、効果はありません。
min_loading_time
max_loading_time
:{E}
この車両が乗降あるいは荷物の積み下ろしをするのにかかる最小/最大時間(ゲーム秒単位、移動時間と同じスケールで測定されます)。車列の積み込み時間は、車列の中で最も積み込みの遅い車両の積み込み時間です。乗客/物資の乗降がない場合、積込時間は車列の中で最も長い最短積込時間となります。最大人数の乗客/物資が乗車/降車した場合、積込時間は車列内で最も長い最大積込時間となります。この2点間の数値は線形に補間されます。
mixed_load_prohibition
:{E}
同じ商品カテゴリで異なる商品の積み込みを禁止すること。例えば、ばら積み貨車にこの設定があり、石炭を積んだ場合、完全に空になるまで石炭以外を積むことができません。空にした後、別のばら積み貨物を積むことができるようになります。
mixed_load_prohibition=1
車両のアップグレードと制約
available_only_as_upgrade
:{E}
他の車両からのアップグレードとしてのみ利用可能であり、新車で購入することはできないかどうか。
available_only_as_upgrade=1
upgrade_price
:{E}
他の車両からこの車両にアップグレードするために必要な価格 (1/100シムクレジット単位)。デフォルトはこの車両の購入価格と同じです。
upgrade[X]
:{E}
(Xは0から始まる255以下の数字です。) 現在の車両がアップグレード可能な車両の一覧です。
upgrade[0]=petts-mk1a
upgrade[1]=petts-mk1b
constraint[prev][X]
constraint[next][X]
:{M}
(Xは0から始まる255以下の連続した数字です。) 現在の車両を前方または後方に連結しなければならない車両またはキーワードのリストです。
constraint[prev][X]=none
または constraint[next][X]=none
の場合、現在の車両の前後にはどの車両も連結できません。
Simutrans Experiementalに特有のconstraint[prev][0]=any
とconstraint[next][0]=any
(まさにこの構文)は、この車両が編成の前後にいてはいけない(この車両の後ろに別の車両がなければならない)ことを意味するものです。
指定がない場合は、どの車両も接続可能です。
constraint[prev][0]=Se_X2000_X2_1990
constraint[prev][1]=Se_X2000_UA2_1990
constraint[prev][2]=Se_X2000_UB2_1990
constraint[prev][3]=none
constraint[next][0]=Se_X2000_X2_1990
constraint[next][1]=Se_X2000_UA2_1990
constraint[next][2]=Se_X2000_UB2_1990
constraint[prev][0]=Se_Y1_1970
constraint[next][0]=any
way_constraint_permissive[X]=X
:{E}
(Xは共に 0 から 7 までの同じ数字)車両に影響を与える許容型の軌道制約を番号で指定します。
way_constraint_permissive[0]=0
way_constraint_permissive[3]=3
way_constraint_prohibitive[X]=X
{E}
(Xは共に 0 から 7 までの同じ数字) 車両に影響を与える禁止型の軌道制約を番号で指定すします。
way_constraint_prohibitive[2]=2
way_constraint_prohibitive[7]=7
許容制約と禁止制約の違い
許容制約と禁止制約は、軌道と一緒に使用されます。
例えば、Pak128.Britain-Ex-0.9.1の許容制約2は、「交流架空電化」として使用され、これはway_constraint_permissive[2]=2
を指定した車両だけがway_constraint_permissive[2]=2
も定義した軌道を移動できることを意味しています。同じように、禁止制約2は 「チューブ・トンネル」(都営大江戸線のように小さいトンネル)として使用され、way_constraint_prohibitive[2]=2
で指定された軌道は、そのように指定された列車のみを受け入れます。
車両のカラーリング
liverytype[X]
:{E}
(Xは0から始まり255以下の連続した数字) simuconf.datのliveryセクションで定義されたカラースキームの名前です。
liverytype[0]=BOAC-speedbird
liverytype[1]=Private-operator
グラフィックス
グラフィックス:{M}
liverytype[X]=
が定義されていない場合、グラフィックの定義は現在のSimutrans Standardと同じになります(EmptyImage[E]=
とFreightImage[4][E]=
)。しかし、liverytype[X]=
が定義されている場合、グラフィックの定義も、方向表現の後に[X]
(ここで、X はliverytype[X]
で指定された X と一致しなければなりません)を追加して変更されます。
EmptyImage[E][X]=
また、カラーリングは貨物の画像と組み合わせることもできます。
FreightImage[4][E][0]=
ここで、最初の数字(ここでは4)は貨物の種類を表す番号、2番目(ここでは0)はカラーリングのインデックスを表します。
以下は、グラフィックス定義部の例です。
liverytype[0]=BR-Early
liverytype[1]=BR-Revised
liverytype[2]=BR-Blue
EmptyImage[E][0]=./images/br-cl47-green.0.0
EmptyImage[SE][0]=./images/br-cl47-green.0.1
# 中略
EmptyImage[NE][0]=./images/br-cl47-green.0.7
EmptyImage[E][1]=./images/br-cl47-b.0
EmptyImage[SE][1]=./images/br-cl47-b.1
# 中略
EmptyImage[NE][1]=./images/br-cl47-b.7
EmptyImage[E][2]=./images/br-cl47-green.1.0
EmptyImage[SE][2]=./images/br-cl47-green.1.1
# 中略
EmptyImage[NE][2]=./images/br-cl47-green.1.7
また、カラーリングを動作させるためには、simuconf.tabを変更する必要があります。上記の例では、simuconf.tabに以下のセクションが必要です。
########## Livery settings #########
livery_scheme[0] = British-Railways
retire_year[0] = 1986
retire_month[0] = 6
livery[0][0] = BR-Early
intro_year[0][0] = 1948
intro_month[0][0] = 1
livery[0][1] = BR-Revised
intro_year[0][1] = 1956
intro_month[0][1] = 2
livery[0][2] = BR-Blue
intro_year[0][2] = 1966
intro_month[0][2] = 6
軌道・橋・トンネルのdatパラメータ
全般
obj
:{S}
軌道、橋、トンネルのどれなのかを定義します。
obj=way
obj=bridge
obj=tunnel
name=
copyright=
intro_year=
intro_month=
retire_year=
retire_month=
cost=
maintenance=
topspeed
:{M}
車両がこの軌道、橋、またはトンネルを走行する際の最高速度を指定します。橋やトンネルの場合、最高速度は橋/トンネルと道のどちらか低い方になることに注意する必要があります。
topspeed_gradient_1
topspeed_gradient_2
:{E}
この軌道で車両が走行可能な坂道(1が半端な高さ/緩坂、2が全段/急坂)の速度(km/h)です。最高速度を0にすると、勾配は通行不能になります(河川で有効)
topspeed_gradient_1=
topspeed_gradient_2=
max_weight
:{M}
軌道とトンネルの場合,その軌道/トンネルを横断できる車両の最大軸重をメートル・トン単位で規定します。橋の場合、橋を横断できる編成の最大重量(荷重を含む)を、ある瞬間に橋上にいることができる編成の最大割合で割った値を指定します。この設定は、架線のような軌道オブジェクトには影響しません。橋は、総重量制限と軌道からの車軸制限の両方を持つことができることに注意してください。デフォルトは4,294,967,295 トンです。
wear_capacity
:{E} (軌道とトンネルのみ)この軌道やトンネルがどれだけの「摩耗」に耐えられるかです。摩耗量は、標準的な車軸荷重8tの1万分の1で測定されることを意図しています。指定しない場合のデフォルト値は100,000,000です。
waytype
: {S}
どの軌道の種類で、したがってどの種類の車両がこの軌道を走行できるかを指定します。
waytype=road
waytype=track
waytype=tram_track
waytype=monorail_track
waytype=maglev_track
waytype=water (運河と河川)
waytype=air (滑走路と誘導路)
waytype=power (送電線)
way_constraint_permissive[X]=X
:{E}
(X は共に 0 から 7 までの同じ数字) 車両に影響を与える許容型の軌道制約を番号で指定します。
way_constraint_permissive[0]=0
way_constraint_permissive[3]=3
way_constraint_prohibitive[X]=X
{E}
(X は共に 0 から 7 までの同じ数字) 車両に影響を与える禁止型の軌道制約を番号で指定します。
way_constraint_prohibitive[2]=2
way_constraint_prohibitive[7]=7
system_type
:{S}
system_type=
の後に設定される値の結果は、この軌道がどのwaytypeであるかによって変わります。
- 道路の場合
system_type=0
通常system_type=1
高架
- 鉄道の場合
system_type=0
通常system_type=1
高架system_type=7
路面電車の軌道
- モノレールの場合
system_type=0
標準system_type=1
高架
- マグレブ(磁気浮上式鉄道、日本で言うリニモやリニア新幹線など)の場合
system_type=0
標準system_type=1
高架
- 飛行機の場合
system_type=0
誘導路system_type=1
滑走路
- 船舶の場合
system_type=0
運河system_type=1
高架運河system_type=255
河川
upgrade_group
:{E}
(軌道のみ) 0 から ?の間の値です。これは、アップグレードグループのすべてのメンバーが同じ高架構造を持ち、その上にある軌道だけが異なるという状況をシミュレートするために、高架の軌道とともに使用することを意図しています。これは、橋とその下の軌道のように、高架と軌道を分離することができないため、必要です。しかし、これはあらゆる種類の軌道に使用することができます。この値が指定されていないすべての軌道のデフォルトのグループは0です。
way_only_cost
:{E}
(軌道のみ) 同じアップグレードグループ内で、ある軌道から別の軌道にアップグレードする場合、本体価格ではなく、この値を使用します。
has_own_way_graphics
:{E}
(橋のみ) この橋の軌道グラフィックスを、橋のグラフイックに直接描かないかどうかを指定します。デフォルトは1です。
has_own_way_graphics=0
way
:{E}
(橋のみ) has_own_way_graphics=0
と組み合わせた場合に、どの軌道を橋と一緒にデフォルトで構築するかを定義します。
max_length
:{S}
橋の最大長をタイルで表します。
(訳者注: 翻訳元の文章ではmax_lenght
と誤記をするように記載がありましたが、Pak128.Britain-Exの.datファイルを見るとmax_length
でも良いようです。ソースコードは確認していませんが、ドキュメントが書かれた後に正確な綴りでも指定できるように変更されたのだと思われます。)
max_height
:{S}
(橋のみ) 橋の最大高さをタイルで指定します。1から7までの数字でなければなりません。
pillar_distance
:{S}
(橋のみ)柱グラフィック間の距離をタイル単位で設定します。0 の場合はすべてのタイルに柱ができます。
pillar_asymmetric
:{S}
(橋のみ) 橋の両端にある柱のグラフィックを削除します。柱がタイルの中央にない場合に使用します。
pillar_asymmetric=1
max_vehicles_on_tile
:{E}
(水路のみ) 水路軌道 (河川や運河) で同時に走行できる車両の最大数の制限を設定できます。小さい運河や河川の限られた容量をシミュレートするのに便利です。デフォルトは251で、それ以上の値は指定しないでください。
max_altitude
:{E}
この軌道が建設できる海抜の最大高度を設定します。特に運河に有効です。
グラフィックス:{S}
これはSimutrans Standardのようにコード化されています。雪の画像を得るには、[ 0 ]
を[ 1 ]
に置き換えます(例 Image[N][1]=
):
軌道、橋、トンネルのグラフィックの例。
icon=> ./images/macadam_road.3.4
cursor=./images/macadam_road.3.5
Image[-][0]=./images/macadam_road.1.2
Image[N][0]=./images/macadam_road.1.5
Image[S][0]=./images/macadam_road.2.1
Image[E][0]=./images/macadam_road.2.2
Image[W][0]=./images/macadam_road.2.0
Image[NS][0]=./images/macadam_road.1.0
Image[EW][0]=./images/macadam_road.1.1
Image[NSE][0]=./images/macadam_road.0.2
Image[NSW][0]=./images/macadam_road.0.4
Image[NEW][0]=./images/macadam_road.0.1
Image[SEW][0]=./images/macadam_road.0.3
Image[NSEW][0]=./images/macadam_road.1.2
Image[NE][0]=./images/macadam_road.3.0
Image[SE][0]=./images/macadam_road.2.3
Image[NW][0]=./images/macadam_road.2.4
Image[SW][0]=./images/macadam_road.2.5
ImageUp[3][0]=./images/macadam_road.4.2
ImageUp[6][0]=./images/macadam_road.4.3
ImageUp[9][0]=./images/macadam_road.4.0
ImageUp[12][0]=./images/macadam_road.4.1
ImageUp2[3][0]=./images/macadam_road.1.3
ImageUp2[6][0]=./images/macadam_road.1.4
ImageUp2[9][0]=./images/macadam_road.0.0
ImageUp2[12][0]=./images/macadam_road.0.5
Diagonal[NE][0]=./images/macadam_road.3.6
Diagonal[SE][0]=./images/macadam_road.0.6
Diagonal[NW][0]=./images/macadam_road.1.6
Diagonal[SW][0]=./images/macadam_road.2.6
cursor=images/iron-girder-bridge.4.1
icon=> images/iron-girder-bridge.4.0
BackImage[NS][0]=images/iron-girder-bridge.0.5,0,32
FrontImage[NS][0]=images/iron-girder-bridge.1.5,0,32
BackImage[EW][0]=images/iron-girder-bridge.0.4,0,32
FrontImage[EW][0]=images/iron-girder-bridge.1.5,0,32
BackStart[N][0]=images/iron-girder-bridge.0.0,0,32
FrontStart[N][0]=images/iron-girder-bridge.1.0,0,32
BackStart[S][0]=images/iron-girder-bridge.0.2,0,32
FrontStart[S][0]=images/iron-girder-bridge.1.2,0,32
BackStart[E][0]=images/iron-girder-bridge.0.1,0,32
FrontStart[E][0]=images/iron-girder-bridge.1.1,0,32
BackStart[W][0]=images/iron-girder-bridge.0.3,0,32
FrontStart[W][0]=images/iron-girder-bridge.1.3,0,32
BackRamp[N][0]=images/iron-girder-bridge.0.6
BackRamp[S][0]=images/iron-girder-bridge.0.8
BackRamp[E][0]=images/iron-girder-bridge.0.9
BackRamp[W][0]=images/iron-girder-bridge.0.7
FrontRamp[N][0]=images/iron-girder-bridge.1.6
FrontRamp[S][0]=images/iron-girder-bridge.1.8
FrontRamp[E][0]=images/iron-girder-bridge.1.9
FrontRamp[W][0]=images/iron-girder-bridge.1.7
backPillar[S][0]=images/iron-girder-bridge.4.3
backPillar[W][0]=images/iron-girder-bridge.4.2
BackImage2[NS][0]=images/iron-girder-bridge.2.5,0,32
FrontImage2[NS][0]=images/iron-girder-bridge.3.5,0,32
BackImage2[EW][0]=images/iron-girder-bridge.2.4,0,32
FrontImage2[EW][0]=images/iron-girder-bridge.3.5,0,32
BackStart2[N][0]=images/iron-girder-bridge.2.0,0,32
FrontStart2[N][0]=images/iron-girder-bridge.3.0,0,32
BackStart2[S][0]=images/iron-girder-bridge.2.2,0,32
FrontStart2[S][0]=images/iron-girder-bridge.3.2,0,32
BackStart2[E][0]=images/iron-girder-bridge.2.1,0,32
FrontStart2[E][0]=images/iron-girder-bridge.3.1,0,32
BackStart2[W][0]=images/iron-girder-bridge.2.3,0,32
FrontStart2[W][0]=images/iron-girder-bridge.3.3,0,32
BackRamp2[N][0]=images/iron-girder-bridge.2.6
BackRamp2[S][0]=images/iron-girder-bridge.2.8
BackRamp2[E][0]=images/iron-girder-bridge.2.9
BackRamp2[W][0]=images/iron-girder-bridge.2.7
FrontRamp2[N][0]=images/iron-girder-bridge.3.6
FrontRamp2[S][0]=images/iron-girder-bridge.3.8
FrontRamp2[E][0]=images/iron-girder-bridge.3.9
FrontRamp2[W][0]=images/iron-girder-bridge.3.7
backPillar2[S][0]=images/iron-girder-bridge.4.5
backPillar2[W][0]=images/iron-girder-bridge.4.4
Image[-][0]=severn-tunnel.1.2
Image[N][0]=severn-tunnel.1.5
Image[S][0]=severn-tunnel.2.1
Image[E][0]=severn-tunnel.2.2
Image[W][0]=severn-tunnel.2.0
Image[NS][0]=severn-tunnel.1.0
Image[EW][0]=severn-tunnel.1.1
Image[NSE][0]=severn-tunnel.0.2
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Image[NEW][0]=severn-tunnel.0.1
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Image[NSEW][0]=severn-tunnel.1.2
Image[NE][0]=severn-tunnel.3.0
Image[SE][0]=severn-tunnel.2.3
Image[NW][0]=severn-tunnel.2.4
Image[SW][0]=severn-tunnel.2.5
ImageUp2[3][0]=severn-tunnel.1.3
ImageUp2[6][0]=severn-tunnel.1.4
ImageUp2[9][0]=severn-tunnel.0.0
ImageUp2[12][0]=severn-tunnel.0.5
ImageUp[3][0]=severn-tunnel.4.2
ImageUp[6][0]=severn-tunnel.4.3
ImageUp[9][0]=severn-tunnel.4.0
ImageUp[12][0]=severn-tunnel.4.1
# Front Images
FrontImage[NSE][0]=severn-tunnel.3.2
FrontImage[NSW][0]=severn-tunnel.3.4
FrontImage[NEW][0]=severn-tunnel.3.1
FrontImage[SEW][0]=severn-tunnel.3.3
(画像は翻訳元である [https://forum.simutrans.com/index.php/topic,15174.0.html] を参照してください。)